県立となみ養護学校平成12年度文化祭  展示

「水道水フッ素化と健康はみんなの願いです」

(アメリカ歯科医師会のスローガン Health of All,and Fluoridation for Everyone.)

むし歯は過去の病気です

フッ素は地球上のあらゆるもの(水、海水、岩、土、動物、稙物など)に含まれ、私達の健康に貢献する元素です。フッ素でむし歯予防ができることを知ったことは、 人類の英知の所産 と言われています。

WHO(世界保健機関)FDI(国際歯科連盟)など、世界の専門機関がこぞって、1969年より,水道水フッ素化を推奨してきました。現在,世界の56カ国では、水道水に適量のフッ素を添加したり、多く含まれる所ではちょうど良い濃度(1ppm:1g中に1mg)にコントロールして、むし歯予防に大きな成果を挙げてきました。

世界の常識,日本の非常識

ところが,日本ではむし歯予防は今まで甘味制限と歯磨き中心で、フッ素の利用は大変遅れています。国(厚生省や文部省)が積極的に進めてきませんでした。アメリカでは,1945年から、また、カナダやオーストラリア,さらにはヨーロッパやアジアなど、世界の多くの国々では国家単位のむし歯予防のための,フッ素利用健康政策が進められてきて,長年の実績を積んでいます。

日本でも,今ようやく水道水フッ素化へ

ようやく,日本でも厚生省が研究班を作って,水道水フッ素化を行うことに踏み出しました。沖縄県久米島具志川村の実施計画に、厚生省が予算をつけました。また,自治体の中には独自の予算で検討する所が、出てきています。水道行政は自治体の仕事です。水道法の水質基準(フッ素:0.8ppm以下)を守れば,むし歯予防に効果のある濃度にコントロールが可能です。群馬県甘楽町、栃木県西方町、東京都町田市などが,現在,水道でむし歯予防をと、実施に向け検討しています。

となみ養護学校のフッ素塗布

平成3年より始まった本校のフッ素塗布も、その効果は著しく,フッ素による永久歯のむし歯予防の実践としては,大変意義深いものです。特に,特殊学校の例では,全国的にも珍しいものです.日本口腔衛生学会甲信越北陸地方会や北陸公衆衛生学会の学会でも、その予防効果を発表しました。しかし,就学前にすでに永久歯にむし歯を持って入学してくる子がおり最近のデータは横ばい傾向です。また,フッ素塗布の現場は少なからず子供たちに苦痛を与えるのも問題点の1つです。

今一度,考えよう

フッ素は、脱灰(むし歯になる状態)した部分を,再石灰化(治す状態)させるのに大きな働きをします。また、萌出したばかりの時期に,フッ素が触れることにより、酸に対する抵抗力を増し,むし歯になりにくくなります。フッ素による予防法としては,効果のより高い全身応用の水道水フッ素化,食塩へのフッ素添加や小児を中心としたフッ素錠剤を与える方法と、局所応用のフッ素洗口(うがい)、フッ素塗布や家庭でのフッ素入り歯磨き剤の利用などがあります。

一番良い方法を見つけよう

フッ素塗布やフッ素洗口は,受けた人には効果が出ます。しかし,本当に優れた方法とは,公衆衛生的に見て,公平で,安全で,効果があって,簡便で,経済的な方法のことで、これは水道水フッ素化以外にありません。その水道の利用者は、一般の人から,弱者といわれる、乳幼児から,障害を持つ人,高齢者・要介護者まで,すべての人のむし歯予防に役立ちます。

この砺波野でも水道水フッ素化を

まず,皆さんの声を,行政(砺波地域の各市町村)に聞いてもらいましょう。

「健康と水道水フッ素化はみんなの願いです」の要望をしましょう。ご署名をお願いします。