2003年3月1日読売新聞仙台圏、地域版「虫歯、全国平均のほぼ倍/宮城県」  

 県内3歳児の虫歯本数は平均2.74本と全国都道府県で最も多く、虫歯対策が遅れている実態が、厚生労働省の資料などで分かった。

 全国平均(1.46本)のほぼ倍で、最も少ない東京都(0.89本)の3倍以上だった。仙台市は平均1.95本で、全国の12政令市で最悪。3歳児の虫歯は、食習慣など家庭環境の影響が特に大きいとされ、保護者の意識改革が求められる。

 全国ランクは、同省に報告された2001年度の三歳児歯科健康診査結果を、滋賀県健康対策課が独自に集計した。東京都に次いで虫歯が少なかったは、神奈川、広島両県の0.98本、愛知県1.00本、兵庫県1.02本だった。逆に多いのは、宮城の次が宮崎県の2.64本。沖縄県2.53本、佐賀、青森両県の2.49本だった。

 県は乳幼児健診時に母親を対象とした虫歯教育などを行っているが「子供の面倒を見ることの多いお年寄りなどに意識が徹底しない」(県健康対策課)のが実情。また虫歯予防に効果があるフッ素の活用も、今年度から鹿島台と志津川の両町で、幼児の歯へのフッ素塗布を始めたばかりと、取り組みが遅れている。

 県内では石越、歌津両町(4.95本)、雄勝町(4.81本)、米山町(4.49本)、志津川町(4.30本)で特に虫歯が多かった。少なかったのは松山町(0.35本)と鳴瀬町(0.62本)。

 東北大の田浦勝彦講師(予防歯科)は「『夕食以降におやつを与えない』『フッ素入りの歯磨き粉で歯磨きする』など身近なことから虫歯予防を徹底してほしい」と話している。