2003年3月9日(日)読売新聞富山県版「学ぶ はぐくむ」欄
「フッ素で虫歯予防」


2003年3月9日(日)の読売新聞富山県版の「学ぶ はぐくむ」欄に「フッ素で虫歯予防」という記事が載りました。
先日、NPO法人日F会議事務局長田浦先生と一緒に訪問した読売新聞富山支局の金巻有美記者に、すばらしい記事を載せていただきました。
ちょうど、先日となみ養護学校で、今年度最後のフッ素塗布に行って来たとき、養護教諭から、「
@1月30日付 文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課から、各都道府県教育委員会学校保健主管課あての、フッ化物洗口ガイドラインについて(依頼)。
A1月27日付け 厚生労働省医政局歯科保健課から、文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課あての、フッ化物洗口ガイドライン。
B2月5日付け 富山県育委員会福利保健課長から 市町村(組合)教育委員会学校保健担当課長・教育事務所長・県立学校長あて フッ化物洗口ガイドラインについて(依頼)。」
の文書をいただきました。ようやく、学校関係者にまでガイドラインも少しづつ伝わってきたうです。


皆さん、お礼のメールやFAXをお願いいたします。

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『フッ素で虫歯予防』
富山 安野屋小「ブクブクタイム」で8割弱が虫歯なし(写真)

虫歯予防に大きな効果があるとされ、注目を集めている「フッ素」。県内でも、フッ素入りの水によるうがいなどフッ素を利用した虫歯予防に取り組む教育施設が増え、成果を挙げている。(金巻有美)

 フッ素は、自然界に存在する元素。口の中の最近が食物を酸化し、歯の表面が溶かされると虫歯になるが、フッ素には、抗菌作用や溶けた歯のエナメル質を修復する「再石灰化」の働きがある。使用方法は、フッ素を薄めた溶液でのうがい(洗口)や歯磨き、フッ素化合物を歯に塗る塗布などがある。
 海外では、アメリカやシンガポールなど約40カ国がフッ素化した水道水を日常的に利用するなど、虫歯予防の効果が広く認められている。国内でも厚生労働省や歯科医師会が肯定的な見解を出し、厚労省は、フッ素利用を積極的に進めるため、今年1月には「フッ化物洗口ガイドライン」の指針を示した。
 県内では、1995年に「県民歯の健康プラン」が策定され、乳幼児や児童を対象に、フッ素を利用した虫歯予防事業を行う自治体に、県が補助金を出している。今年度は26市町村で、乳歯への塗布を実施。フッ素洗口は、23市町村で、幼稚園や保育所、学校など計141の教育施設が行っている。
 富山市の安野屋小学校では、毎週2回、休み時間に全校で「ブクブクタイム」と名付けて、フッ素溶液によるうがいを続けている。1年生の教室では、児童が担任教諭の合図でいっせいにうがいを開始。1分間かけて、液をまんべんなく行き渡らせていた。「プリンの味がする」などと笑顔で話す児童に抵抗はない様子だ。
 88年から、このフッ素洗口を始めた同校では、虫歯のない児童の数が年々増え、昨年度の一人当たりの虫歯本数は、市平均の0.9本の半分近い0.5本。虫歯のない児童の割合も、市平均の62.9%を大きく上回る77.7%だった。養護の正道雅代教諭は、「この学校の子供はみんなしろいきれいな歯で笑う。校医の検診で出す歯の治療カードの枚数も少ない」と実感する。
 福光町の県立となみ養護学校では、91年から2ヶ月に1度、フッ素塗布をしている。その結果、小学部では、91年には一人当たり2.9本だった虫歯の平均本数が、2001年には0.9本になり、中学部でも7.7本から2.5本に大きく減った。

過剰摂取なければ人体に影響なし
 これらの実践例では、虫歯予防の効果が報告されているが、一部には、フッ素による人体への影響を心配する声もある。
 フッ素利用を続けている井波町の歯科医師、山本武夫さん(50)は、「フッ素は自然界にあるもので、高濃度のものを過剰に摂取しなければ、全く問題ないことは以前から証明されている。虫歯になってから治療するより経済的な負担も少ない」と説明している。