四国新聞朝刊社会面(20頁) 2004年(平成16年)1月5日(月)掲載          トップへ


フッ素洗口で虫歯予防 県教委まとめ 51小中学校で実施

 フッ素を使ったうがいで虫歯を予防する取り組みが県内の小中学校で広がっている。県教委によると、2002年度末現在で全小学校の約2割に当たる42校、中学校では1割強の9校で実施、2000年度末に比べ倍増しており、児童のDMFT(永久歯の虫歯経験歯数)現象などの効果も報告されている。県内の歯科医師らでつくる「県フッ素利用を推進する会」(会長:西岡忠文前県歯科医師会長)は11日に高松市内で講演会を開き、普及促進を呼びかける。

「推進する会」11日に講演  水道水への添加訴え

 日本のフッ素利用はフッ素溶液を使った集団うがい(フッ素洗口)が主流だ。県内では、99年度に文部科学省選定「よい歯の学校日本一」に選ばれた仁尾小の取り組みが有名。1996年度から実施し、2.8本だった6年生のDMFTが2003年度は0.2本と激減。全校生徒320人中、298人は永久歯の虫歯経験がない。
 フッ素利用で現在議論になっているのは水道水へのフッ素添加。水質基準内の濃度なら摂取しても健康に問題はないとされ、WHO(世界保健機関)が添加を推奨。米国など約60カ国で水道水への添加を実施している。
 日本では、厚生労働省が2000年に地元の合意などを条件にフッ素添加を容認。歯科医師らを中心に実施を求める活動が全国で活発化しているが、健康への不安などから反対論も根強く、実施には至っていない。
 講演会は11日午後1時半から高松市番町1丁目の県社会福祉総合センターで。日本大松戸歯学部の小林清吾教授、滋賀県健康福祉部の井下英二さんが、フッ素の効果や水道水添加に向けた取り組みについて説明する。参加は無料。問い合わせは同会事務局の浪越歯科医院(0875-82-5555)まで。