第58回富山県高等学校新人大会【平成23年度全国選抜高校剣道大会富山県予選】

平成24年(2012年)1月21−22日、アルビス小杉総合体育センター

 今年の新人大会は、昨年東日本大震災で選抜大会が中止になったために、全員が選抜初出場をかけての戦いとなりました。昨年代表の男子・高岡工芸、女子・富山北部はどうしても意地を見せたい大会です。
 初日の男子個人は、秋季大会のシード8選手にほかの選手がどう挑むかが、見ものです。Aコートは、秋季覇者の工芸・田代選手が順調に勝ち進み、一方のシードの富山東・多田選手を破った入善・島選手を下し勢いに乗る南砺福野・島田選手と対戦、面1本で準決勝進出。Bコートは、波乱含みで、シードの富山工業・長瀬選手を延長面で破った工芸・東選手と、秋季欠場ながら中学時代2年全中出場実績のある龍谷富山・青山選手が、秋季3位のシードの入善・冨居選手を下して対戦、 青山選手が1年生ながら面1本勝ちして準決勝進出。Cコートは、秋季3位の篠原選手が順当に勝ち進み、同じくシードの富山第一・高井選手に面1本勝ちし、準決勝へ進出。Dコートは、秋季2位ながら本命の工芸・木倉選手が同じく順当に勝ち上がったシードの富山東・大浜選手に小手2本勝ちし、準決勝に進出。準決勝は、高岡工芸対井波中出身者の対戦となりました。Aコートは、田代選手、青山選手ともに攻めあぐみ、延長戦に入り、田代選手の攻めが緩んだすきを逃さず打った青山選手の面が入り、秋季覇者を破る大殊勲。Bコートは、木倉選手が、試合巧者の篠原選手の攻めをしのぎつつ、ゆっくり見て攻める作戦で、終盤反則を取られるも、篠原選手の攻めが途切れた瞬間を逃さず、面を決め決勝へ。決勝も、木倉選手が、青山選手を慎重にさばいて退け、総体予選以来2大会ぶりの覇者に復活。
 続く初日の女子団体は、富山北部の予想通りの優勝となったものの、2位には、秋季2位の高岡に競り勝った高岡工芸、3位には、高岡と、前回3位の呉羽を破った南砺福野が入りました。また、今年は清流杯(北信越大会)が6チーム参加となり、代表戦があり、呉羽と高朋が勝ちました。
 2日目は、女子個人戦から始まり、Aコートは、秋季覇者の北部・今村選手が順当に勝ち進み、同じく順当勝ちのシード高朋・西村選手を2本勝ちで退け準決勝へ進出。Bコートは、秋季3位の北部・久木田選手が、2回戦で、実力ある砺波・松山選手に苦戦するも延長で退け、シードの工芸・佐藤選手に2本勝ちして準決勝へ進出。Cコートは、秋季3位の北部・山田選手が、3回戦で1昨年の秋季の覇者工芸・石井選手と対戦、小学生時代から砺波地区で何度も対戦の手の内を知り尽くした相手に長い延長の末、面で下して山場を凌ぎ、シードの高岡・豊田選手には、あっさり2本勝ちして、準決勝へ進出。Dコートは、波乱含みで、シードの高朋・大郷選手を、初戦で進境著しい工芸・砂田選手(前日団体で、北部・今村選手を破って一人気を吐いた)が破ったものの、秋季3位の呉羽・竹内選手は、秋季3回戦で不覚を取りシード落ちした北部・山本選手に敗れ、山本選手の準決勝進出で、ベスト4が富山北部勢独占。準決勝は、Aコートで、今村選手が久木田選手を2本勝ちで下し、Bコートで、山田選手が、井波スポ少からの盟友山本選手に、延長で勝ち、決勝に進出しました。決勝は、勢いのついた山田千菜都選手が、秋季準決勝の雪辱を果たし、今村選手に勝ち、中学1年の新人戦以来の県大会優勝となりました。
 続く男子団体戦は接戦が多く、当事者にとっては、大変ハラハラドキドキ、一般の観戦者にとっては大変面白い白熱した戦いとなりました。試合ごとにオーダーを変更できるという大会形式は勝負所を見据えた選手配置が、まさに勝負の分かれ目に現れました。Aコートは、秋季覇者の高岡工芸が、シードの南砺福野と準決勝進出をかけて対戦、前半で勝負をかけた福野は、先鋒島田選手、中堅篠原選手の引き分けが痛く、2-0で工芸が準決勝進出。Bコートは、秋季3位の富山工業が順当に勝ち進み、シードの富山南を4−1で退け準決勝に進出。Cコートは、秋季3位の龍谷富山が順当に勝ち進み、シードの富山第一を破った入善にも3−1で勝ち、準決勝へ進出。Dコートは、富山東が秋季2位の高朋に勝ち、シードの富山中部と対戦、先鋒の多田選手が雄山中学同僚の細川選手に敗れたのが痛く、また中堅大浜選手も敗れ、思わぬ敗退を喫し、富山中部が準決勝進出。準決勝は、Aコートで今大会一番の決選、先鋒分け、次鋒工芸・木倉選手の1本勝ち、中堅分け、副将が工業・石田選手が2本勝ちし逆転、大将戦は上段同志で引き分けし、富山工業が決勝進出。高岡工芸は昨年選抜出場を決めながら、大会中止。今年は準決勝で無念の敗退となりました。Bコートは、龍谷富山が中堅若林選手が2本勝ちして勢いにのせ、副将藤城選手が試合を決め、富山中部を4-1で圧倒し、決勝進出。決勝は、先鋒が富山工業・前田選手が1本勝ちするも、次鋒の龍谷富山・武波選手が1歩勝ちし返し、またも、中堅若林選手、副将藤城選手で試合を決め、3−1で、龍谷富山が富山工業を下し、選抜出場を決めました。
 惜しくも敗れた選手は、今度は新潟インターハイを目指して頑張って下さい。男子団体は、実力伯仲でどこが勝ってもおかしくないと思います。今流した悔し涙が、後でいい思い出になることを祈っています。(山本武夫)



*井波スポ少OB・OGの成績
 第1日 男子個人 青山虹(龍谷富山)次勝、篠原天馬(南砺福野)3位、松田尚之(富山東)1回戦敗退
      女子団体 富山北部(山田千菜都・山本麻紗子)優勝:選抜・清流杯(北信越大会)出場
            南砺福野(水口妃奈)3位:清流杯(北信越大会)出場
 第2日 女子個人 山田千菜都(富山北部)優勝、山本麻紗子(富山北部)3位、水口妃奈(南砺福野)2回戦進出 
      男子団体 龍谷富山(青山虹)優勝:選抜・清流杯(北信越大会)出場
            南砺福野(篠原天馬)・富山東(松田尚之)ベスト8:清流杯(北信越大会)出場

大会成績・・・表彰式

*団体・・・優勝は全国選抜大会(3月27-28日、愛知県春日井市)出場。男子ベスト8以上・女子ベスト6以上は清流杯(北信越大会・2月4-5日庄川)出場
 女子団体 優勝:富山北部 、次勝:高岡工芸、 3位:南砺福野・高岡、 5・6位:呉羽・高朋
 男子団体 優勝:龍谷富山 、次勝:富山工業、 3位:高岡工芸・富山中部、 ベスト8:南砺福野・富山南・入善・富山東  
*個人
 男子個人 優勝:木倉(高岡工芸) 、次勝:青山虹(龍谷富山)、3位:篠原天馬(南砺福野)・田代(高岡工芸)、
        ベスト8:島田(南砺福野)、東(高岡工芸)、高井(富山第一)、大浜(富山東)
 女子個人 優勝:山田千菜都(富山北部) 、次勝:今村花音(富山北部)、3位:山本麻紗子・久木田蓮奈(富山北部)
        ベスト8:西村(高朋)・佐藤(高岡工芸)・豊田(高岡)・砂田(高岡工芸)

大会結果…プログラムより