「フッ化物規準については変更無し」
環境保護局(EPA)の飲料水水質基準の見直し
(長崎大学歯学部講師 川崎浩二先生のコメント) |
By Stacie Crozier
Washington: 飲料水の水質基準の定期的な見直しの一端として、環境保護局(EPA)はフッ化物の規準については今回、改訂する必要はないと言っています。
しかし、最近のフッ化物研究のレビューならびにフッ化物含有の食品と歯科用製品などのフッ化物源からの総フッ化物摂取への寄与を含む、フッ化物のリスク評価の最新版を作成するように国立科学アカデミー(NAS)に依頼するでしょう。
1993年に、国立科学アカデミー(NAS)が行ったフッ化物に関する調査結果は”摂取されたフッ化物のヒトへの影響”として出版され、この報告書は今なお広く、医師、歯科医師、研究者、公衆保健官などに引用されています。
2002年4月17日に、EPAは全国のフッ化物を含む68種の飲料水中の化学物質規準についての定期的な見直し結果を最新版として公表し、各規準の改訂の有無を予備決定しました。EPAは、フッ化物の規準については”現時点で修正改訂するには妥当性が無い”という範疇としたと決定しました。同時に、EPAは6月17日からこの調査結果に関する公式見解を受理し、8月にNPDWRの最終改訂版を出版することになるでしょう。
“ フッ化物は55年間にわたり、安全かつ効果的に使われて十分に吟味されてきました “とHerschel S Horowitz博士は述べています。彼は、公衆衛生歯科医であり、国立歯科頭蓋顔面研究所(NIDCR)の元研究者であり、またフロリデーション問題に関してはアメリカ歯科医師会(ADA)の代弁者です。さらに彼は続けます。
“ 各調査から、齲蝕予防にあたり、フッ化物は安全かつ効果的であるとこを示しています。この調査は飲料水を精査して、それが安全基準を満たすかあるいは基準を超えているかを確かめる型通りの手続きの一部にすぎません。もちろん、私たちはEPAが再度フッ化物が健康にとって御墨付きを与えることを期待しています “
飲料水安全法に基づいて、EPAは”現在の健康リスク評価、技術の進歩、その他の要因が健康あるいは技術基盤に諸要素を特定して、公衆衛生を改善ないし強化する規制の改訂を確証するために” 定期的に飲料水基準を見直すように求めています。このように、4月17日連邦記録に記載された要約に書いてあります。
ADA, EPA、歯科と科学的な自治体地域と多くの関心有る集団は、安全と効果に関する最新の科学的な証拠を引き続き論評しています。地域水道水フロリデーション政策は最新の科学的研究に依拠していることが保証されるとHorowitz博士は付け加えています。
EPAのフッ化物についての飲料水規準は地域でひどくまちまちの天然由来のフッ化物のレベルについてのものです。う蝕を減少するために飲料水中のフッ化物レベルを調節する公共水系はアメリカ合衆国保健サービスによって至適濃度として確立された濃度を維持しています。そのフッ化物濃度は0.7から1..2ppmの範囲であり、EPAによる最大フッ化物濃度規準は4ppmを上限としています。水系によっては天然の形で、このEPAの基準より高いところもあります。これらの水系ではフッ化物を除去したり、水源を替えるという選択肢があります。これらの対応策によって、何らの健康被害ではありませんが審美的な問題を来たす状態であるエナメル質のフッ素症から子どもたちを守ります。
子どもたちが歯の形成期に長期にわたり2ppm以上のフッ化物濃度の飲料水を使うと、エナメル質のフッ素症を引き起こす可能性があります。約1ppmの最適なフッ化物濃度であれば、フッ化物配合歯磨剤を使ったり、またフッ化物含有飲食物を摂食しても、審美的に問題のあるエナメル質のフッ素症を最小限に食い止めることができます。NAS調査は増大する各種フッ化物配合歯磨き剤、フッ化物洗口剤とその他の製剤とともに飲食物中のフッ化物から摂るフッ化物摂取の総量について貢献することになるでしょう。
EPAは現在のところ、飲料水中に天然由来のフッ化物が2ppm以上含まれる場合には、1年以内に給水業者は消費者に通知するように求めています。このやり方はフッ化物レベルを減少あるいはコントロールできる方法を各家庭に知らせる手助けにするために命じているのです。さらにEPAはこの通知表を調査して、通告方法を改善するように勧告することもできます。
CDC(疾病管理センター)は子どものう蝕を18〜40%減少させるフロリデーションを20世紀の10大公衆衛生業績の一つとして宣言しました。