WHO/World Water Day 2001: Oral Health
WHO(World Health Organization:世界保健機関)のHPから・・・World water Day 2001のWater Fluridation のページ

原文全文(English)
原文全文和訳

Water fluoridation 水道水フロリデーション

世界中のほとんどの地域では、その飲料水中の天然のフッ化物はう蝕を予防するには低い状態である。 適正量のフッ化物利用により多大の利益があるので、う蝕を減少させる効能が最初に認知された1930年代以降に、水道水フロリデーションプログラム(Box 2)は多数の国々で導入され確立されている。

Box 2: 水道水フロリデーションプログラムとは何か?

水道水フロリデーションプログラムは、う蝕予防のために最適のフッ化物濃度のレベルに調整するように、公共水道に人為的に適量のフッ化物を注入して制御する方法である。 通常、最適のレベルはおよそ1mg/1リットルである。 フッ化物を原水のフッ化物濃度を加味して事前に設定された濃度に調整される。 使用するフッ化物は溶解度、低価格、副作用がないことを考慮して選択される。フッ化物は無味無臭で、沈殿物を生成することはない。 フロリデーションに使用されるフッ化物は以下の通りである。 ヘキサフルオロ・ケイ酸、ヘキサフルオケイ酸・第二ナトリウムまたはフッ化ナトリウム。 フロリデーションは水処理作業過程で行われ、フロリデーションプログラムには良好な保守と特別に設計された施設が要求される: フッ化物は原状では腐食性であるので、安全な業務実際に従って格納されて、また取り扱わなければならない。

フッ化物濃度の低い給水地域での水道水フロリデーションは、最適の歯の形成と生涯にわたるう蝕に対するエナメル質の抵抗性を付与するために役立つ。飲料水中のフッ化物は主に歯垢と唾液で作用する。 フロリデーション水の飲料とフッ化物濃度調整水で作られた製品により口腔内フッ化物濃度レベルを維持する。 高齢者をはじめ地域のすべての年齢層が水道水フロリデーションの利益を得る。 例えば、歯根面う蝕の有病状況が飲料水中のフッ化物に逆相関を示したという調査結果である: 言い換えれば、フッ化物の適正な範囲内では、飲料水中フッ化物のレベルが高ければ高いほど、う蝕は少ない。 残存歯数の増加と高齢につれて発生する歯根面う蝕はフロリデーションされていない場合には高まるだろうと予測されていることから、この調査結果は重要である。

水道水フロリデーションは、これが可能である地域では、う蝕予防のための最も効果的公衆衛生手段である。水道水フロリデーションは技術者、化学者、医師、栄養学者、および歯科医師すべてが各々重要な役割を果たす協働作業である。 フロリデーションプログラムの効率および地域での受容性は、歯科衛生の一般的な状態と小児と若年層のための無料の歯科保健医療への近接性と受診、および食事と口腔衛生が良好な状態にあるかどうかに依る。

歯科専門家間のコンセンサスとしては、口腔衛生を維持する動機づけや歯科治療の受診と支払いの意志に関わりなく、特に水は地域すべての人のため不可欠な食事の部分であるので、水道水フロリデーションがう蝕を減少させる単一の最も重要な介入方法である。先進諸国では、フロリデーションの健康と経済的利益は小さいが、社会的に恵まれない地域で特に重要となるだろう。そのような地域では、水道水フロリデーションが口腔保健における不平等を解消する主要因になるかもしれない。