26回むし歯予防全国大会報告


テーマ:フッ化物応用とヘルスプロモーション

大会趣旨

 21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)がすすめられています。21世紀の我が国で、すべての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会とするため、壮年期死亡の減少、健康寿命の延伸及び生活の質の向上を実現することを目的としています。歯の健康に関しては、歯の喪失を防止して、食事や会話を楽しむ等による生活の質の確保を目指しています。
 歯の喪失防止につながる具体的なう蝕予防方策としてフッ化物利用は欠かすことができません。フッ化物を個人的に利用するだけでなく、フッ化物の公衆衛生的な特性を生かして、フッ化物洗口・フロリデーション等、集団と地域に応用することが大切となります。地域においてこれらのフッ化物応用法を実際に普及させるためには「ヘルスプロモーション」のプロセスが極めて大きな意味を持っています。ヘルスプロモーションとは、「健康づくりを通じてQOLの向上を目指すプロセスである」と訳されています。その柱は、「個人への支援と個人の健康づくりを支援する社会環境づくり」となるでしょう。そして、そのような支援を実現させるためのプロセスとして「唱導、能力の付与(エンパワーメント)、調停」が必要であります。
 今回、新たにNPO法人を発足させ、フッ化物の応用を通じてう蝕の減少を目指すための今後の戦略を考えるにあたり、「ヘルスプロモーション」のプロセスについて学ぼうと考えました。フッ化物応用の大切さを広く社会に伝えること(唱導)、歯科保健関係者や地域住民がフッ化物応用の大切さに気づき、自ら行動を起こせるような能力を付与すること(エンパワーメント)、さらにはフッ化物の応用を施策として実現させるための連携や調整を行うこと(調停がしっかりと理解されて体系づけられることにより、フッ化物の応用、とくに「フロリデーション」の実現も加速されるものと考えます。日本むし歯予防フッ素推進会議がNPO法人となって果たす役割としては、この3つのプロセスの中で、とくに「唱導」「エンパワーメント」が重要となるでしょう。そこで、NPO法人となっての第1回目大会では、「フッ化物応用とヘルスプロモーション」と題して、「唱導」「エンパワーメント」という2つのプロセスの大切さを参加者全員で確認し合いたいと考えます。

・主催:特定非営利活動(NPO)法人日本むし歯予防フッ素推進会議
・後援:日本歯科医師会、日本学校歯科医会、日本歯科衛生士会、日本WHO協会
・協賛:日本歯磨工業会
・日時:11月17日(日)午前10:00から午後3:30(午前9時30分開場)
・場所:東京歯科大学水道橋病院2階 血脇記念ホール(〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-9-18)

大会日程
セレモニー

 ・ご挨拶 NPO法人・日本むし歯予防フッ素推進会議 会長  篠原 常夫
 ・祝辞  厚生労働省医政局歯科保健課長            瀧口  徹先生
 ・祝辞  日本歯科医学会 会長                   斉藤  毅先生
 ・祝辞  日本口腔衛生学会 常務理事               松久保 隆先生

導入:エンパワーメントについて(スライド)   (コーディネーター:中村譲治NPO法人監事)
基調講演(東京都立大学教授 星 旦二先生)  抄録
質疑応答

休憩・昼食
エンパワーメントとフッ化物利用の普及 (コーディネーター:黒瀬真由美NPO法人常務理事)
教育講演 「自然から学んだ むし歯予防 世界の常識 フッ化物応用」(新潟大学歯学部附属病院 佐久間汐子先生) スライド
事例報告ー1 フッ化物を利用したむし歯予防の取り組み(下仁田町保健センター参事 母子保健係長 伊原よし江保健師) スライド
事例報告ー2 住民(市民)はお客様 私の経験から(美都町 山根哲明町議会議員)
事例報告ー3 すべての人が健康で豊かな生活を楽しむために(沖縄県歯科医師会専務理事 高嶺明彦先生) スライド
ディスカッション(進行:黒瀬真由美NPO法人理事)
大会まとめ(木村年秀NPO法人理事) スライド
大会宣言(山内皓央大会実行委員長) スライド
終了

大会の祝辞(プログラムより)
社団法人日本歯科医師会 会長  臼田貞夫 先生
財団法人8020推進財団 理事長  臼田貞夫 先生
社団法人日本学校歯科医会 会長 西連寺愛憲 先生
・日本歯科衛生士会       会長 江島 房子 様 


大会写真集