第24回むし歯予防全国大会報告(抄録集より)

水道水フッ素化実現のために    ―― 健康はみんなの願いです ―― 

上記テーマで、平成12年(2000年)11月5日(日曜日)午前9時30分から、こまばエミナース(東京都目黒区大橋2−19−5) 1F ダイヤモンドホールを,会場にして、主催:日本むし歯予防フッ素推進会議、後援:日本歯科医師会、日本学校歯科医会、日本歯科衛生士会、日本WHO協会の、大会が盛大に開催されました。

300名を超える参加者が,会場を埋め、「水道水フッ素化」実現のため,講師の熱心な講演に耳を傾けました。

 

 

むし歯予防手段として現在,56カ国で実施されています。また、その代替法としての食塩フッ素化は36の国々で利用されています。その他フッ素の錠剤やフッ素の液剤といった方法が60以上の国々で広く利用されています。以上のフッ素の活用によって,世界の人々の口腔保健は向上してきました。

さて,わが国でも水道水フッ素化を優れた公衆衛生的予防法として認め、WHOの実施勧告決議にすべて賛成を表明してきました。しかしながら,WHOでの賛成、また世界の国々における水道水フッ素化の大きな成果といった情報は一切国民に伝えられず,口腔保健専門家にも適切な情報が到達していない現状にあると言えましょう。

そこで,今回は、水道水フッ素化を最初にはじめた米国,現在水道水フッ素化70%の普及率を誇るマレーシア,2003年には人口の1/3が実施予定となっている韓国,そして、中国本土でも水道水フッ素化のモデル事業を企画し2006年から全国展開を計画している中国の専門家を招き、その近況をお聞きします。また,わが国の報道機関,行政をはじめとする関係者が集まり,水道水フッ素化実現の道筋と今後の国民の健康を目指す上での方向性を求めたディスカッションが行われました。

 

 

 

開会

挨拶 第24回むし歯予防全国大会会長(青陵女子短期大学教授) 堀井欣一先生

    日本むし歯予防フッ素推進会議会長(北海道歯科医師会) 篠原常夫先生

シンポジウム         座長 (読売新聞論説委員)  馬場錬成先生

講演(午前の部)

わが国の現状となぜわが国で水道水フッ素化なのか    馬場錬成先生

むし歯予防に最も重要なフッ素の役割・その1  その2(米国 歯学研究・公衆衛生コンサルタント) ハーシェル・ホロビッツ先生

水道水フッ素化の歴史とその重要性  (米国 米国立衛生研究所 上席研究官) アリス・ホロビッツ先生

水道水フッ素化の実際と世界の現状  (米国 国立防疫センター 水道水フッ素化技師長) トム・リーブス先生

マレーシアにおける上水道フッ素化プログラム  (マレーシア・サラワク州保健課 歯科行政官) モハマド・アブドラ先生

昼食・休憩

・手品(磯崎先生) 

・フッ素劇(宮崎県子供の歯を守る会)

講演(午後の部)

進行する韓国の水道水フッ素化の現状  (韓国 ソウル大学歯学部予防歯科教授) 金鐘培先生 

水道水フッ素化を開始する中国   (中国 北京大学口腔医学院教授) 張博学先生〔ビザの関係で来日できず〕

                    代講  (九州大学歯学研究院 口腔常態制御学講座) 張 旌旗先生

上水道のフッ素化について 〜行政の立場から〜  (島根県健康福祉部健康増進課)  梶浦靖二先生

上水道のフッ素化について 〜政治家の立場から〜  (東京都町田市市議会議員)  古宮とし男先生

上水道のフッ素化について 〜マスコミの立場から〜  (毎日新聞編集委員)  小原博人先生

パネル・ディスカッション「Dental Today12月15号より」

閉会

抄録集には,紙上だけの挨拶もあります。

日本歯科医師会 会長 臼田貞夫

日本学校歯科医会 会長 西蓮寺愛憲

日本WHO協会 会長 西島安則

 

また,今回の大会には、韓国から,友好交流団として,金教授に随伴して、全北大学歯学部予防歯科学教室教授 張起完先生,韓国健康社会のための歯科医師協会会長の申東根先生、同じく前会長の金光洙先生、協会の鄭相浩先生が,来られました。     

講師の先生やスタッフの前々夜祭日Fの前夜祭、また,大会後の打ち上げ懇親会も,熱気にあふれ、「水道水フッ素化」に一丸となった大会でした。

第24回むし歯予防全国大会スタッフ